体はすべて繋がっている 〜運動連鎖と上部・下部交差症候群をわかりやすく解説〜

2025年11月15日 14:16

体はすべてつながっている。

〜運動連鎖と、上部・下部交差症候群の仕組みをわかりやすく解説〜

「肩こりや腰痛って、結局どこが悪いの?」
「ひとつの筋肉だけ揉んでも治らないのはなぜ?」

そんな疑問に答えるキーワードが
『運動連鎖(キネマティックチェーン)』
そして
『上部交差症候群・下部交差症候群』
です。

これは施術家の基礎であり、身体の不調を読み解く“地図”のような存在です。



◆ 運動連鎖(キネマティックチェーン)とは?

身体の動きは、すべてつながって影響し合う
という考え方です。

たとえば、
足首が内側に倒れる(回内)
 ↓
膝が内側へ
 ↓
股関節が内旋
 ↓
骨盤が歪む(インフレア方向)
 ↓
腰に負担
 ↓
肩の高さがずれる
 ↓
首こり・頭痛へ

このように、
「痛みのある場所=原因の場所」ではない
のが身体の特徴です。

特に現代人は、
長時間の座位・スマホ姿勢・運動不足などで、
運動連鎖のバランスが崩れやすい。

運動連鎖を理解すると、
身体がどのように連動し、どこが原因でどこに症状が出ているかが見えてきます。



◆ 上部交差症候群(Upper Crossed Syndrome)

パソコン・スマホ時代の“現代病”とも呼べる姿勢です。

●特徴
• 巻き肩
• 首が前に出る(ストレートネック)
• 肩甲骨が外側に広がる(翼状肩甲)
• 呼吸が浅くなる

胸・首の前側の筋肉が硬く、
首の前と肩甲骨の下部の筋肉が弱い——
という「×(クロス)」構造が生まれています。

●起こりやすい症状
• 慢性肩こり
• 首こり
• 頭痛
• 目の疲れ
• 胸郭出口症候群(しびれ)

●なぜ起きる?

前かがみ姿勢が習慣化すると、
頭の重さ(約5kg)を首肩で支え続けなければならなくなります。

結果、
「硬い筋」と「弱い筋」がクロス状にアンバランスになる
=それが“上部交差症候群”。



◆ 下部交差症候群(Lower Crossed Syndrome)

こちらは腰痛の代表パターン。

●特徴
• 反り腰
• 骨盤前傾
• 臀筋が弱い(お尻が使えない)
• 腰が張りやすい

腸腰筋と腰部の起立筋が硬く、
腹筋と殿筋が弱い——
こちらも「×(クロス)」構造。

●起こりやすい症状
• 慢性腰痛
• 股関節のつまり
• 坐骨神経痛様の症状
• ぽっこりお腹

●なぜ起きる?

長時間の座り姿勢で腸腰筋は常に短縮。
結果として骨盤は前に倒れ、腰椎が反りすぎてしまいます。

腰だけ治しても再発する人が多いのは、
この“交差のアンバランス”を整えていないからです。



◆ 運動連鎖と交差症候群は実はセットで起こる

上部交差症候群と下部交差症候群は、
体全体のつながりの中で同時発生することが多いです。

たとえば
• 下部交差 → 骨盤前傾 → 背中が反る
• 上部交差 → 巻き肩 → 頭が前に出る

これが組み合わさると
**全身の姿勢が“S字過剰”**になり、
慢性の疲労・コリ・痛みがどんどん積み重なります。



◆ どう改善すればいいのか?

大前提はひとつ。

ゆるめる → 正しい位置に戻す → 正しく動かす

この順番がとても大切です。

●① ゆるめる(過緊張の筋肉)
• 小胸筋
• 上部僧帽筋
• 腸腰筋
• 脊柱起立筋

●② 正しい位置に戻す
• 肩甲骨の下制・内転
• 骨盤の後傾誘導
• 胸椎伸展の改善

●③ 正しく動かす(弱い筋を活性化)
• 深層頸屈筋(チンタック)
• 下部僧帽筋
• 前鋸筋
• 臀筋
• 腹横筋

どれか一つだけでは改善しない。
運動連鎖の“流れごと”整えることがポイント。



◆ ほぐリッチ整骨院では…

身体を“部分”ではなく、
全体のつながり(運動連鎖)として評価し、施術します。

肩こりだから肩だけ、
腰痛だから腰だけ、
という対症療法ではなく、

「なぜそこに負担がかかったのか?」
を運動連鎖の視点で分析します。

そのうえで
• 筋肉をほぐす
• 関節を整える
• 正しい動きを作る

という3ステップで、
根本改善を目指す施術を行っています。



◆ まとめ
• 身体はすべてつながっている
• 痛みは“結果”であり“原因”は別の場所にある
• 上部交差・下部交差はその象徴
• 正しい順番で整えれば、姿勢も痛みも改善する



この記事を読んで
「自分もその姿勢かも…?」と思った方は、
一度ご相談ください。

ほぐリッチ整骨院|体をほぐして心をリッチに
https://www.hogurich-seikotsuin.com/p/8/

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