体はすべてつながっている。
〜運動連鎖と、上部・下部交差症候群の仕組みをわかりやすく解説〜
「肩こりや腰痛って、結局どこが悪いの?」
「ひとつの筋肉だけ揉んでも治らないのはなぜ?」
そんな疑問に答えるキーワードが
『運動連鎖(キネマティックチェーン)』
そして
『上部交差症候群・下部交差症候群』
です。
これは施術家の基礎であり、身体の不調を読み解く“地図”のような存在です。
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◆ 運動連鎖(キネマティックチェーン)とは?
身体の動きは、すべてつながって影響し合う
という考え方です。
たとえば、
足首が内側に倒れる(回内)
↓
膝が内側へ
↓
股関節が内旋
↓
骨盤が歪む(インフレア方向)
↓
腰に負担
↓
肩の高さがずれる
↓
首こり・頭痛へ
このように、
「痛みのある場所=原因の場所」ではない
のが身体の特徴です。
特に現代人は、
長時間の座位・スマホ姿勢・運動不足などで、
運動連鎖のバランスが崩れやすい。
運動連鎖を理解すると、
身体がどのように連動し、どこが原因でどこに症状が出ているかが見えてきます。
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◆ 上部交差症候群(Upper Crossed Syndrome)
パソコン・スマホ時代の“現代病”とも呼べる姿勢です。
●特徴
• 巻き肩
• 首が前に出る(ストレートネック)
• 肩甲骨が外側に広がる(翼状肩甲)
• 呼吸が浅くなる
胸・首の前側の筋肉が硬く、
首の前と肩甲骨の下部の筋肉が弱い——
という「×(クロス)」構造が生まれています。
●起こりやすい症状
• 慢性肩こり
• 首こり
• 頭痛
• 目の疲れ
• 胸郭出口症候群(しびれ)
●なぜ起きる?
前かがみ姿勢が習慣化すると、
頭の重さ(約5kg)を首肩で支え続けなければならなくなります。
結果、
「硬い筋」と「弱い筋」がクロス状にアンバランスになる
=それが“上部交差症候群”。
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◆ 下部交差症候群(Lower Crossed Syndrome)
こちらは腰痛の代表パターン。
●特徴
• 反り腰
• 骨盤前傾
• 臀筋が弱い(お尻が使えない)
• 腰が張りやすい
腸腰筋と腰部の起立筋が硬く、
腹筋と殿筋が弱い——
こちらも「×(クロス)」構造。
●起こりやすい症状
• 慢性腰痛
• 股関節のつまり
• 坐骨神経痛様の症状
• ぽっこりお腹
●なぜ起きる?
長時間の座り姿勢で腸腰筋は常に短縮。
結果として骨盤は前に倒れ、腰椎が反りすぎてしまいます。
腰だけ治しても再発する人が多いのは、
この“交差のアンバランス”を整えていないからです。
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◆ 運動連鎖と交差症候群は実はセットで起こる
上部交差症候群と下部交差症候群は、
体全体のつながりの中で同時発生することが多いです。
たとえば
• 下部交差 → 骨盤前傾 → 背中が反る
• 上部交差 → 巻き肩 → 頭が前に出る
これが組み合わさると
**全身の姿勢が“S字過剰”**になり、
慢性の疲労・コリ・痛みがどんどん積み重なります。
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◆ どう改善すればいいのか?
大前提はひとつ。
ゆるめる → 正しい位置に戻す → 正しく動かす
この順番がとても大切です。
●① ゆるめる(過緊張の筋肉)
• 小胸筋
• 上部僧帽筋
• 腸腰筋
• 脊柱起立筋
●② 正しい位置に戻す
• 肩甲骨の下制・内転
• 骨盤の後傾誘導
• 胸椎伸展の改善
●③ 正しく動かす(弱い筋を活性化)
• 深層頸屈筋(チンタック)
• 下部僧帽筋
• 前鋸筋
• 臀筋
• 腹横筋
どれか一つだけでは改善しない。
運動連鎖の“流れごと”整えることがポイント。
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◆ ほぐリッチ整骨院では…
身体を“部分”ではなく、
全体のつながり(運動連鎖)として評価し、施術します。
肩こりだから肩だけ、
腰痛だから腰だけ、
という対症療法ではなく、
「なぜそこに負担がかかったのか?」
を運動連鎖の視点で分析します。
そのうえで
• 筋肉をほぐす
• 関節を整える
• 正しい動きを作る
という3ステップで、
根本改善を目指す施術を行っています。
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◆ まとめ
• 身体はすべてつながっている
• 痛みは“結果”であり“原因”は別の場所にある
• 上部交差・下部交差はその象徴
• 正しい順番で整えれば、姿勢も痛みも改善する
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この記事を読んで
「自分もその姿勢かも…?」と思った方は、
一度ご相談ください。
ほぐリッチ整骨院|体をほぐして心をリッチに
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